先週金曜日、土壇場になって、首相が現状デザインでの新国立競技場を白紙撤回しました。
デザイン云々以前の問題で、なるべくしてなった必然だったと思います。
仕事でも何でもそうですが、
多くの人で進めるプロジェクトは、
最初にリーダーを決めるのが「イロハのイ」です。
最初から、それが文科省なのか、JSC(日本スポーツ振興センター)なのか、はたまた五輪担当相なのか国民からみてもさっぱり分かりませんでした。
多分、当事者もそう思いながら進めていたのではないかと思います。
共同責任 = 無責任
の極みを地で行ったプロジェクトだったと思います。
一方、デザインでは売りだった「キール構造」
この
「キール(keel)」は、船底に船首から船尾にかけて通して入っている軸となる構造材です。
いわば船の背骨(竜骨)とも言える部分ですが、
動詞では「(船を)転覆させる」という意味もあります。
コスト度外視のデザインの売りに加え、リーダー不在のプロジェクトは、
「船頭多くして船山を登る」だったのであれば、
さっさと山を下ればいいのですが、
まさしく、
「船頭多くして船転覆する」
になってしまいました。
これを機に心機一転、国民から愛される新国立競技場にしてほしいものです。