「ローカル」と聞くと、田んぼや畑の中を二両編成の小さな電車が走り抜けるという光景を思い浮かべる人もいるでしょう。
「鉄道のローカル線」、「テレビのローカルニュース」、「ローカル色豊か」などという言葉もよく聞きます。
これらの言葉を聞くと、「ローカル」とはいかにも「地方、田舎」のことを意味すると思ってしまいますよね。
では、「田舎町」はどうでしょうか。
“Local town”だと思ってしまいませんか?
英英辞典や英和辞典で”local”を引いてみると、
「局所的な, 局部的な, 局地的な, (特定の)地方の, 市内の, 地域の, 地元の, 近くにある, 現地の, 郷土の」と書いてあり、
どこにも「田舎」を感じさせる意味は載っていません。
“local”には、実は根底に「すぐ近くの、近隣の、遠くない」という概念があるので、上記のような訳になっているのです。
なので、例えば浜松市内で
I was born in a local town.
と言えば、浜松市内の町(すぐ近くの町)で生まれたということで、遠くてもせいぜい浜松周辺の市町で生まれたということを意味することになります。
英語で「田舎」を意味する言葉は”rural”ですが、日本人は”local”を「田舎の」、つまり”rural”の意味で使ってしまっているのです。
英語では、例えば首都に対するいわゆる「地方」の意味には provincial という言葉を使うだけで、首都もまた「一地方」なので立派な”local”なのです。