最近めったに聞かなくなった「ハイカラ」。
年配の人が、昔よく使っていた言葉です。
この「ハイカラ」、若い人は聞いたことがない人もいるかもしれません。
カタカナ英語で日本人が好んで使う言葉に「ハイ」があります。
「ハイウェイ、ハイセンス、ハイレグ」など、数え上げればいくらでも出てきそうです。
例えば、“highway”は日本では「高速道路」のことを指しますが、
英語の”highway”は「公道」、「幹線道路」、「主要道路」を意味します。
高速道路は、”freeway”, “expressway”などと呼ばれます。
“freeway”と呼ばれるのは、欧米諸国の高速道路はほとんどが無料だからです。
高速道路がすべて有料で、しかもバカ高いのは日本だけです。
このように、カタカナ英語で使われている「ハイ」は、そのほとんどが本来の”high”の意味で使われていません。
ところが、今や化石言葉となりつつある「ハイカラ」の「ハイ」は、本来の”high”の意味で使われているのです。
「ハイカラ」は、西洋風の身なりや生活スタイルを表す言葉ですが、西洋かぶれを揶揄する俗語、流行語でもありました。
明治時代、西洋の文化が徐々に日本に入り込んだ頃、男性の洋服の代表的なものが“high collar”、「高襟」のシャツでした。
今でいうワイシャツです。
この”high collar”(ワイシャツ)が、西洋風を意味する言葉になったのは驚きですが、本来の”high”をそのまま使っているということでは、現代のカタカナ英語より英語に忠実だったのかもしれません。